ラブドールは使用や経年によって傷や緩みなどの不具合が生じることがあります。適切にメンテナンスし、必要に応じて修理を行うことで、お気に入りのラブドールを長く大切に使い続けることができます。この記事では、ラブドールの主な修理の種類や方法について説明し、自分で修理する場合と業者に依頼する場合の必要な道具の違い、修理手順、修理時の注意点について解説します。
素材別の修理について
ラブドールに発生しやすい代表的な不具合と、その修理方法について素材や部位ごとに解説します。
シリコン素材の修理
素材の特徴
シリコン製ドールの肌は弾力がありますが、強い力が加わると切り傷や裂け目が生じることがあります。
小さな傷の補修
表面の浅い切り傷やひっかき傷程度であれば、シリコン用の専用接着剤(シリコンシーラントやシリコンボンド)を使用して補修可能です。傷口を清潔にし、脱脂してから接着剤を薄く塗り、傷を閉じ合わせて固定します。接着剤が乾燥・硬化するまで動かさないようにします。
大きな裂け目の補修
裂け目が大きかったり欠損がある場合、シリコン補修キット(2液性のシリコン樹脂など)で埋めて成形し直す方法があります。補修部分の色や質感を周囲に合わせる必要があり、上級者向けの作業になります。難しい場合は無理をせず、後述する専門業者への依頼も検討します。
TPE素材の修理
素材の特徴
TPE製ドールの肌は非常に柔らかく伸縮性がありますが、その分裂けたり裂傷ができやすいことがあります。また、長時間圧力がかかると凹み(ヘタリ)も発生します。
小さな傷の補修
TPE素材には専用のTPE接着剤(溶剤系の接着剤)を使います。これはTPE表面を一時的に溶かして再接着するもので、傷口に少量塗って縁同士を合わせると、乾燥するにつれて素材が融合します。補修前に傷周りを中性洗剤などで洗い、完全に乾燥させてから行います。
圧痕やへこみの修復
柔らかいTPEは体重や物の圧力でへこんでしまうことがあります。ヘアドライヤーや温めたタオルを使い、適度な温風と熱で温めると素材が柔らかくなり、時間とともに凹みが元に戻りやすくなります。加熱しすぎないよう注意しながら、繰り返し温めて様子を見ます。
大きな裂け目の補修
大きく裂けてしまった場合は、TPE補修剤を何度かに分けて塗り重ねる、あるいは素材の欠損部分に似たTPE素材を充填してから接着する方法があります。こちらも高度な技術が必要なため、自信がない場合は業者に任せた方が安心です。

自分で修理?業者に依頼する?判断方法について
自分で修理に挑戦する場合に用意すべき道具類と、専門業者に依頼する場合に用いられる道具や材料の違いについて説明します。
自分で修理する場合
比較的軽度なトラブルであれば自分で修理可能です。
例えば、関節の軽い緩みや指のワイヤーの折れ程度なら、自力で簡単に修復できる場合があります。
実際、オーナーの多くは破損時に自分で修理を試みており、その方法をブログ等で共有しています。
一方、骨格そのものが折れるような大きな破損や複雑な関節(腰や股関節など)の故障は難易度が高く、DIYでは困難になります。
画像のようなラブドールの修理キッドもあるので、必要な場合は活用してください。

業者に依頼する場合
骨格全体の損傷や複雑な関節の破損など重度のトラブルの場合は、専門業者への依頼が推奨されます。自分では修繕できない深刻な破損は無理をせず、プロの手に任せた方が安全です。
具体的には、背骨に相当する部分の骨折、股関節の破断、関節部の金属の折れ曲がりなど、大掛かりな故障は専門知識と設備がないと完全な修理は困難です。また、自分で直す自信がない場合や「誰か代わりに修理してくれないかな…」と感じる場合も当然あるでしょう。
そうしたときは無理にDIYに挑戦せず、メーカーまたは修理業者に相談するのが得策です。メーカーやプロであれば構造を熟知しており、適切な部品交換や再溶接によって確実に直してくれる可能性が高いです。
特に自身で手に負えないと感じる場合は、迷わずプロに依頼することを検討してください。
修理手順について
業者に依頼する場合の手順
購入元・メーカーへの問い合わせ
まず、購入した販売店や公式メーカーのサポート窓口に連絡し、修理が可能か、また保証内容やサービス内容を確認します。
購入先と連絡が取れ、修理サポートも行なっているのであれば、これが一番推奨されます。
例えば、ラブドール通販専門店『MAILOVEDOLL』では下記のように修理サービスも行なっています。
ハイエンド通販プラットフォームの提供するサービスの内容は販売過程だけではなく、ラブドールの「未来」もサービス項目の拡充内容の一つでございます。お客様のもとにお迎えされた大切なパートナー達に、私たちは親切かつ丁寧な補修サービスをご提供させていただくことをお約束いたします。ユーザー様がラブドールを使う過程で欠損、破損などの問題が発生すれば、オンライン、電話、電子メールなどの手段でご連絡いただきますようお願い申し上げます。
損傷の程度が小さく、お客様が自分で修理したい場合。動画の修理方法と修理に使う道具を郵送させていただきます。その際、ご不明な点があれば連絡してください。
損傷の程度が予想以上の範囲であった場合、専門的な修復手段が必要となりますが、どうぞご安心ください。Mailovedollは日本にラブドール修理センターを開設しております。
ラブドールをこちらの修理センターに郵送し、専門的な「癒し」を受ければ、あなたの伴侶は元の美しさを取り戻せます!こちらでの「治療」は材料のコストなど、当社基準の料金表により「治療料金」として請求させていただきますので、ご了承ください。
自分で修理場合の手順
ここでは、実際にラブドールを修理する際の大まかな手順を説明します。初心者でも対応しやすい軽度な修理と、専門知識が必要な高度な修理では工程が異なります。
状態の確認
まず損傷箇所をよく観察し、ゴミやほこりが付着していないか確認します。裂傷の大きさが小さい(数センチ以内)場合は自分で修理可能な範囲です。深刻な破損でないことを確認しましょう。
清掃と下準備
裂け目周辺を中性洗剤を薄めた水やアルコールで優しく拭き取り、汚れや油分を除去します。完全に乾燥させた後、周囲の肌をマスキングテープで保護し、作業しやすい姿勢にドールを寝かせます。
接着剤の塗布
補修箇所に対応した接着剤を用意します(シリコンならシリコン用、TPEならTPE用溶剤)。使い捨て手袋をはめ、細い綿棒やヘラで傷口の内部に薄く接着剤を塗ります。はみ出しに注意しながら、裂けた両側に均等に行き渡らせます。
接合と固定
接着剤を塗ったら、裂け目の両端をぴったりと合わせて押さえます。このとき強く押しすぎず、ずれない程度に密着させます。必要に応じてテープやバンドでその状態を固定し、少なくとも30分〜1時間程度、動かさないようにします。
乾燥・硬化
接着剤が完全に硬化するまでメーカー指定の時間だけ待ちます(多くの場合24時間程度は安静にします)。乾燥中はドールを動かさず、傷口に負荷がかからない姿勢を保ちます。余分な接着剤がはみ出していたら、半乾燥状態で静かに拭き取るか、完全硬化後にカッターで慎重に削ります。
仕上げ
固まったら固定具を外し、目立つテカリや段差があれば表面を軽く整えます(シリコンなら目の細かいヤスリで慎しく削り、TPEなら専用パウダーをまぶしてテカリを抑える)。最後に周囲の肌と色が違っていれば、メイク用のパウダーやドール付属のメイクキットで馴染ませて完成です。
ラブドールの修理でよくある質問
ここでは、ラブドールにの修理関連でよくある質問とそれぞれの対処法を簡潔にまとめます。
- 修理にかかる費用はどのくらいですか?
- 修理内容やドールのメーカー、保証の有無によって費用は大きく変動します。簡単な調整やパーツ交換であれば数千円から、複雑な修理では数万円~十数万円かかる場合もあります。まずは見積もりを取ることが大切です。
- 修理にはどれくらいの期間が必要ですか?
- 損傷の程度や修理内容によって、必要な期間は大きく異なります。
簡易な表面の傷補修や指先のワイヤー修復など軽度の修理なら、作業自体は数時間~数日程度で完了する場合があります。
関節の緩み調整や一部パーツの交換といった中程度の修理では、部品の取り寄せや内部構造の調整作業が必要になるため、1〜2週間以上かかることもあります。
特に金属フレーム(骨格)の補強・交換を伴う場合、シリコン/TPE皮膚の切開と縫合が必要で、接着剤が完全に定着するまで時間を要します。このような大掛かりな修理では、数週間〜1ヶ月以上の期間を見込むべきです。
- 保証期間内の場合、無償修理は可能ですか?
- 一般的にラブドールにはメーカーまたは販売店の保証が付帯しています。多くの場合、製造上の欠陥や初期不良に対して購入後一定期間の無償対応(修理または交換)が行われます。例えば販売店Mailovedollでは「商品到着後1年間の品質保証」があり、製造工程上の不具合について無料対応すると明記されています。
https://mailovedoll.jp/sales-service/
まとめ
ラブドールの修理について、素材別の補修方法から関節やパーツの交換、具体的なトラブル対応まで幅広く紹介しました。大切なのは、ドールの状態を日頃から注意深く観察し、早め早めに対処することです。小さな傷であれば適切な道具を揃えることで自分で修理可能ですが、無理だと感じた時や重大な損傷の場合はプロの手に委ねる勇気も必要です。
日常的なお手入れ(清掃や保管方法の工夫)によってトラブルの発生自体を減らすこともできます。